はじめに
creators’ base thoughts [ クリエイターズベース ソーツ ]は、岡山県津山市にある小さなデザイン事務所です。
主にアクセサリーの制作・販売、名刺やリーフレットなどの印刷物のデザインのほか、カフェの運営なども行なっており、古民家を改装した店舗ではそこでしか巡り会えないハンドメイド商品や、クリエイターが1点ずつ丁寧に制作した作品を展示販売しています。
「creators’ base=クリエイターたちの基地」として、様々なものとクリエイターが集い、それらと触れ合うことでたくさんの人が身近にデザインを楽しむことができる、そんな場所でありたいと考えています。

owner
chiko
thoughts 代表 / アクセサリー作家
1995年 岡山県津山市生まれ
武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科 金属工芸専攻卒業。主に真鍮・銅・銀の金属加工技術を学びながら、イラストレーターを使用した広告印刷物などのデザインを学ぶ。2015年に自身のアクセサリーブランドを立ち上げ、制作活動を継続しながら2018年に大学卒業後、東京表参道のオーダージュエリー会社でデザイナーとして勤務。以降様々な業種を経験し、2025年現在は出身地である岡山県津山市に工房とカフェギャラリーを構える。
Essais
オーダーメイドとの出会い
2013年─18歳の時、とあるご縁から琥珀ジュエリーのデザインに携わっていました。当時、アクセサリーを自分で作るという初めての経験を通じてたちまちハンドメイドの世界に心惹かれ、自然な流れで個人でもビーズや天然石を使ったアクセサリーの制作を始めました。
地道に作り続けて1年が経過し、それなりにノウハウを得た頃から、自分だけのものではなく「人の思い描くもの」を形にしてみたいという気持ちが生まれ、母の友人や自身の友人を相手にオーダーメイドの仕事を始めました。
いざ作り始めると、どれも自分では思い付かない「その人っぽい」仕上がりで完成するんですよね。
今となってはそれはそうでしょう…とも思うのですが、当時はそれにすごく感動して、オーダーメイドというものはただ単純に好きに作ってもらうだけではなくて「その人のありのままの姿=個性」を表現する手段なんだと気付きました。
「個性=どんなに自分が考えあぐねようと出てこないアイデア」をデフォルトで持っている人がいて、それぞれが美しく唯一無二であること。そして本来目に見えないそれを形にして楽しむことができるなんて「なんて面白い世界なんだ…!」と、瞬く間にオーダーメイドの虜になってしまい、2015年に自身のアクセサリーブランドを設立してから2025年現在までの10年間、アクセサリーを作り続けています。
デザインとの関わり
オーダーメイドを始めた当時、ブレスレットなどを作る際は全てお客様の思い通りの素材を使うことができても、指輪を作る際はただ金属部分にパーツを貼り付けるしか技術がありませんでした。「指輪も自分で作れたらもっと多彩に表現できるのに…」とお風呂に浸かりながら何となく考えていたとある夜、突然「なら作れるように勉強すればいいじゃないか!」と、何かが舞い降り、金属加工の道に進むことを決意しました。
紆余曲折あり、目指す場所を武蔵野美術大学の工芸工業デザイン学科と定めてからは、入学前の受験勉強からデザインのことを徹底的に学びました。この世の全てとも言いませんが、ほとんどのものに「デザイン」というものは関わっていて、毎日使っているマグカップもどこかの誰かがデザインし生産したものだと考え直してからは、目に入るすべてのものを一旦デザインとして置き換えるようになり、生きているだけでも日々得るものばかりでした。
在学中は自学科のみならず、空間デザイン学科や建築学科、映像学科など他学科の生徒・教授とも様々な出会いがあり、ひとつの道に限らず勉強になることばかりで、手当たり次第に知識と経験を積み重ねて過ごしました。もちろん、毎日デザインやコンセプトについて「考えすぎる」せいで意味のわからないものもたくさん作ってきましたが(笑)
今となってはこの全てが糧になっていて、専攻分野を修得することは当たり前としても、そのほかにできる限り幅広い分野を知ることと、とことん思考できる体力・精神力を培うこと、この2つが特にデザイナーの基礎を育てる上でとても大切な経験になりました。
カフェギャラリーを開いた理由
大学卒業後、結婚指輪のオーダーデザインや、工務店のウェブデザイン、画塾講師など様々な業種を経験し、兼ねてよりの夢だったカフェギャラリーを地元である岡山県津山市にオープンしました。
これまでアートやデザインと深く関わる中で「アートとかよくわからない」「どうやって見ればいいの?」「こういうの知識がないから」という言葉をよく耳にして来ました。
私個人の考えとして、アートを楽しむのに知識や厳密な見方は必要不可欠ではないと考えていて、アートに対して感じる壁を少しでも無くしていくことが、これまで学んできた者としての使命だとも感じています。
壁を無くすためにはどうするかと考えた時に、空間に溶け込むインテリアとしてアートを展示すれば、気負わずフランクに見られるのではないかと考え、カフェギャラリーという形を取りました。それこそ「お茶のついでに見る」くらいの気持ちでいいんですよね。
絵画であれば「この色使い、いいな、好きだな」とか、何を描いてるかわからないけど「自分にはこう見えるな」とか。造形物も同じで、不思議な形になんとなく心惹かれたり、むしろ変なの〜と嫌悪感を覚えたり…「心を動かすこと」自体を楽しむだけで鑑賞する意味があります。
もし、心が動き、何となく記憶の片隅で覚えている作品があるなら、その時初めてもう一歩進んでもいいかもしれません。なぜこの色が好きだと感じるのか、作者は何を表現しようと思ってこの形を選んだのか、自分にはこう見えているけど、人にはどう見えるだろうか…など、思考することで何か新たな発見があるはずです。
それに気付いたとき、自分の感性や心の豊かさを感じること。そこにアートと触れ合う価値はあるように思います。
” thoughts = 思考 “
人の果てしない思考の上に生まれたものを通じて、また誰かが思考する。各々が見つける新しい発見から世界が広がり、繋がっていく。人々の思考の源となり、きっかけとなる場所になれるよう願いを込めて。